なぜ春になるとアトピーが悪化して、辛くなるのでしょうか。
たいてい季節の変り目で皮膚炎は激しくなるものです。
しかし、春の悪化には特有の原因があるのです。
目がしつこく痒くなったり、顔や首が赤くなったりするのは明確な原因があります。
では、この春特有のアトピーの辛さを抑えることはできるのでしょうか?
もちろん痒みを早く除去したいお気持ちはわかります。ですが症状を抑えてしまうと、今度は夏にしんどくなる恐れがあります。
ではどのような対策をすればいいのでしょうか? 食養生理論に基づいて解説していきましょう。
春になるとアトピーは激しくなる原因とは?
東洋医学や食養生の理論でいえば春(2月~4月)の季節とは「気逆」であることです。
春とは地中から冬眠していた虫が地下から地面に現われたり、木の芽が地面から空に向かって芽吹く季節です。
大自然全体が地面から空に向かって、つまり「下から上に」エネルギーが流れる、これが今の季節の姿です。
この自然界でのエネルギーの流れが体内にも起きるです。
つまり、身体内で水分が下から上に向かって流れる、気逆が発生するのです。
春の特有の症状に花粉症があります。これは鼻から鼻水が流れ出ます。これも気逆のせいです。水が下から上に、鼻から水分があふれ出る現象が身体内で起きていることがわかりますね。
木の芽時である春は「吹き出る季節」であって身体もなにかと吹き出ることになるのです。
ゆえに肌に吹き出物がでたり、痒みや炎症がでてしまいがちになります。
東洋医学では春の3か月を「発陳」と表現しています。「発陳」とはどういう意味でしょうか? 「陳」とは新陳代謝の陳です。身体で冬に熟したエネルギーが「発」、つまり勢いがついて外に表出するといった意味があるのです。
まさに冬の間にじっとしていたものが芽吹いたり、蠢く春の到来を告げる表現です。
また春は「風」の影響を受ける季節でもあります。春の陽気に熱せられた空気が上昇して風がおきるように身体内にも風が吹くわけです。
また、東洋医学の特有の表現ですが病気の元である「風邪」が身体に入りやすくなり風邪や花粉症だけではなく、皮膚疾患も起きやすくなるのです。よって痒みもいつもより増えてしまいます。
また、身体に吹き出るのはまだあって、それは感情です。この季節はイライラしたり憂鬱になったりするものです。五月病というのも春につきものです。つまり、心の鬱積も感情としてあらわれやすくなるのです。
春は肝の季節ともいわれていて、肝は風を嫌います。肝は感情でいえば怒りを表します。(東洋医学では臓器ごとに感情が振り当てられています)
よって、春は怒りやすくなったり、ヒステリーになったり、いつもより感情的になったり、心が沈んだりしてしまいがちです。
肝の不調は消化器系に影響を与えますから、便秘や下痢を繰り返したり、食べてもお腹を空きやすくなって食べ過ぎたりしてしまうこともありがちです。
アトピーの方がやってしまうのが食欲を満たすことでストレスを発散することです。食べ過ぎには気をつけてください。
そして悪化要因となるのが汗です。身体を動かせば汗ばむ季節ですので痒くなってしまいますよね。
ですから、アトピーで悩まれる方はよけいにイライラして辛くなる、これがこの季節なのです。
だからといってアトピーを抑え込む、消し去る、家の中で閉じこもることは得策ではありません。
それはなぜか? どうすればいいのか? 春の過ごし方について解説を進めていきましょう。
春を快適に過ごす考え方とは? アトピーを抑え込むのはやめましょう!

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今まで述べてきたように春は肌にでるのが自然なのです。よってこの自然の摂理に反してはいけません。受け入れることなのです。
むしろ肌から排泄されることをポジティブに考えるべきなのです。
なぜか? それは古来からの食の知恵を知ればわかりやすいでしょう。
春には灰汁の強い竹の子や菜の花を食べますよね。
灰汁の強い春の野菜を食べる食習慣には、食べることで排泄を促す意図があるのです。
灰汁の強い春野菜を食べることで、わざと肌に排泄するように促すのです。ここで排泄をしておかないと夏がしんどく疲労がでやすくなる。夏の準備のためには今、痒みや炎症を薬で抑え込むのは良くないのです。
竹の子を食べるとおでこに、吹き出物がでる、そこで「竹の子さんありがとう」というくらい、やはり出した方が健康にいいのです。
(おでこのアトピーがひどくて悩まれている方はアトピーのおでこの原因と対処法についてをお読みください)
春における自然の摂理に身をゆだねてください。家に閉じこもるのではなくて外にでて身体を軽やかに動かしてみましょう。
万物が動き出して蠢く季節のように、身体を動かして陽気を発散させましょう。
だから春にはハイキングが行楽行事としてあるのです。
なお、痒みが激しい方は灰汁の強い竹の子や菜の花は控えた方が無難でしょう。
それでも、つらくても外にでて季節の変り目を味わう、春の息吹を感じることをお薦めしておきます。
たとえアトピーという病身であっても、身体の蠢動に心をまかせてその変化を味わいましょう。
なお季節の変り目も快適に過ごしたい方はアトピー完治のメカニズムをお読みください。
文責/非営利活動法人 日本成人病予防協会 健康管理士 ワタナベ勲