アトピーに保湿剤は不適切

アトピーに保湿は必要です。乾燥が痒みを引き起こすからです。

問題は保湿の方法です。

結論から述べますと「皮膚科処方の保湿剤」は保湿の目的から外しているので、おすすめできません。

「乾燥した肌に水分を補給すること」これが保湿の第一番の目的です

ですが、皮膚科処方の保湿剤は水分を補給しないのです

「ワセリン」「ヒルドイド」は皮膚バリア機能の改善はしますが、水分を含んでいないので肌に潤いを与えません。

ですから、ワセリン・ヒルドイド等の保湿剤は「乾燥肌を湿らせて痒み悪化を防ぐことはできない」

スキンケアの目的を果たしていないといえます。

症状期間中と完治後の写真

この写真の左側が、3回目のアトピー激悪化の頃です。右側の写真が現在の私です。

紙のように乾燥した顔にはたくさんの掻き傷があって、そこから浸出液が流れていました。

私のアトピー歴は25年。症状期間中、3回も激しく悪化しました。

なぜ、私は長く患ってしまったのか?

保湿に限っていえば、以下の3点に原因があります。

  1. 肌に水分を補給することをしなかった
  2. スキンケアの手順を間違っていた
  3. 皮膚科処方の保湿剤やワセリンしか使っていなかった

これらの間違いに気づいていたら、苦しみ抜いた25年間を短くできたでしょう。

「脱保湿」「肌断食」は絶対にやるべきではありません。

保湿のやり過ぎで皮膚が怠けることはありません。

積極的に正しいやり方でスキンケアをするべきです。

また、ワセリンを10年も使用していましたが、次の事実を知りませんでした。

それは、保湿剤による有害事象(肌のかぶれ等)がありうるという事実です。

保湿剤による接触皮膚炎をご存知ですか?

保湿剤に副作用はないとお考えかも知れません。

しかし、塗布による接触皮膚炎が起きる可能性があるのです。

接触皮膚炎とは肌に触れた物質の刺激によって生じる皮膚の炎症です。

この弊害について、日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン(2016年版)」147ページには次の記載があります。

皮膚炎の症状のある状態に対しては、ステロイド外用剤と併用して保湿剤を外用することが勧められ、皮膚炎の症状がない状態でも保湿剤を継続的に外用することが勧められる。 (中略)ただし、保湿剤による接触皮膚炎などの有害事象が起こりうることにも注意しなくてはならない。診療ガイドライン

接触皮膚炎の症状には激しい痒みや発疹、肌のかぶれ等があります。

私もワセリンを10年以上、塗り続けました。塗った後、痒みが激しくなりました。

掻き破ってしまい、よけいに炎症が激しくなるのです。

アトピーは保湿剤の使用を止めてから炎症・痒みが減ったくらいです。

長く疑問を持たずに使用してきた用品を見直すのは大事です。

それでは、今から保湿剤について深く掘り下げていきます。

必ず「3つの悩みを解決できる」スキンケア用品を選ぶこと

保湿をする女性

アトピー患者にとって「辛い気持ちなる症状」のトップ3が、

  1. 痒み
  2. 皮膚の炎症
  3. 皮膚の深いシワ

です。

つまり、この3つの悩みを解決するスキンケア用品を選んで使用するべきなのです。

では、「痒み・炎症・シワ」の原因とは何か?

それは、皮膚の乾燥です。

だからこそ、スキンケアの最重要目的とは、

水分を肌の深部に浸透させ乾燥を防ぐことにあります。

そこで、お薦めしたいのが「化粧水」「美容液」を使った保湿ケアです

化粧水・美容液の用途とは「皮膚を湿らせ、乾燥肌をしっとりさせる」こと。

これはスキンケアの目的に合致しています。だから、保湿にはこれだけで十分です。

一方で皮膚科でもらうヒルドイドやワセリンといった保湿剤の用途は「皮膚のバリア機能の改善」です。

保湿剤は乾燥した肌に水分を与えて湿らせることはしません。

アトピーに保湿剤は不適切といえます。

また、ワセリンは洗い落とすのが難しい。

入浴時には綺麗に洗い落とさないといけず、ゴシゴシと洗浄することで皮脂を奪いかねません。

このように説明しましても、

化粧水に頼り過ぎるのは肌を怠けさせるので、良くないのではないか? と、思う方もいるでしょう。

皮膚科ではスキンケアをさせない「脱保湿」「肌断食」を患者にすすめる所があるほどですから。

では、いかに乾燥が「痒み・炎症・深いシワ」の原因になるか、これから解説しましょう。

乾燥肌に水分を補給しないと痒みが悪化する

乾燥肌は痒みの原因です。では「なぜ乾燥が痒みを起こすか?」について説明します。

痒みの刺激は主に「C線維」とよばれる神経を通って脊髄へ、そして大脳に伝達。よって痒みを感じます。

しかし、乾燥肌になると「痒みを感知する神経線維が皮膚の表面まで伸びてしまう」のです。

以下の図は健康な皮膚の状態です。

健康な肌の状態

痒みを感知する神経線維は表皮と真皮の境界線までしか伸びていません。

しかし、乾燥肌になると次のように神経線維が表皮にまで伸びてしまうのです。

アトピーの乾燥肌の状態

乾燥肌とは角質層や皮脂が奪われている状態です。外部環境に直接さらされます。

そこへ、痒みを感知する神経線維が伸びてくると、刺激に過敏になります。

つまり、「空気や水道水の塩素」「細菌や化学物質からの刺激」「化繊の服」など、外部から刺激に神経線維が敏感に反応して、痒みが起きやすくなります。

さらに乾燥肌で懸念されるのが、皮膚表面での細菌や黄色ブドウ菌の繁殖です。

細菌や黄色ブドウ菌は通常、肌で繁殖はしません。

肌表面が弱酸性に保持されているので、細菌は生息できないのです。

しかし、肌が乾燥していて、肌バリアが崩壊していると、細菌の繁殖をゆるします。

まとめますと、不適切なスキンケアのおかげで、

乾燥肌が放置されると、痒みが激しくなるばかりか、感染症に罹患してしまう恐れがあります。

保湿のやり過ぎに問題はないか?

しかしながら、化粧水を塗り過ぎると肌を甘やかすのではないか?

という疑問が根強くありますよね。

最近では「肌断食」なるストイックな呼び名の療法があるとか。

では、真相はどうなのでしょうか?

化粧水を使い過ぎてはいけない、という主張の根拠とはこれです。

皮膚本来の保湿機能であるNMF(Natural Moisturizing Factor)と呼ばれる角質細胞内にある天然保湿因子が正常に働かなくなり、怠けてしまうのだ。というものです。

しかし、保湿のやりすぎで皮膚が怠けて保湿機能が低下することはありません

もしそうであるならば、皮膚科医の奥様や娘さんは化粧水を使ってはいないのでしょうか?

そんなわけありませんよね。

皮膚科医師の奥様はおそらく「何もしなくても」加齢によって皮膚機能が怠けていくに違いありません。

むしろ、積極的に寝る前に目尻にクリームを塗り、美容サロンやエステに行って潤いを求めるはず。

老いも若きも世間の女性たちは皮膚が怠けるからといって、脱保湿していますか?

していませんよね。

ましてや、

「皮膚から保湿機能が奪われ、寒風にさらされるだけで切れたように痛くなる」

「お風呂上り水分がどんどん抜けていく中で日々、辛さで呻吟している」

そんな危急を要するあなたには化粧水でたっぷり潤う必要があります。

なのに、医師の言うことを真に受けて聞いていたら、苦しさをさらに重ねてしまいます。

これでは、ゆっくり就寝することも妨げられます。

自然治癒力を高めるどころか、体力の減退をもたらします。

以上から、少しでも痛痒い身体を動きやすくさせて生活の質を向上させるために、

化粧水による保湿を欠かさないでください。

スキンケアの正しい手順と商品の選び方とは?

そろそろ、あなたの興味と関心は「どんな商品がいいの?」だと思います。

しかし、ここであなたは冷静になるべき。

いくら有効な成分を配合したスキンケア商品を使っても「正しい手順で」保湿をしないと、かえって痒みが悪化する恐れがあるからです

また、

有効な美容成分が含まれていても、有害な化学物質が使用されていれば意味がありません。

乾燥肌が進んでしまうなど逆効果だからです。

では、スキンケアの正しい手順と商品の選び方について解説します。

正しいスキンケアの手順

正しい保湿の手順とは、まず最初に化粧水、あるいは美容液を肌につけましょう。

つまり、先に水分を肌に与えるのです。

基本的に品名が「化粧水」の商品を使えば問題ありません。

一方、品名「美容液」とは水分が入っていないものをいいます。

一般的に化粧水は美容液に「水」が含まれていて薄くなったものとお考え下さい。

化粧水を塗ってしっとりさせた後に、クリームを塗りたければ塗ってください。

無理して塗る必要はないかと思います。

いいですか?

大事な事を今からいいますね。

お薦めしないスキンケアの手順とは、

乾燥した肌に……

「クリーム類」「ローション」

「サージクリーム」「シアバター」「亜鉛華軟膏」

油分の多い「オイル」や「馬油」

あるいは鉱物系の「ワセリン」「ヒルドイド」を、

いきなり最初に塗るから、熱がこもり息苦しくなって、痒くなるのです。

赤く炎症している部位に、べっとりとフタをしてしまいますので不適切な行為です。

ですから「先に」化粧水や美容液を塗って水分を与えるべきなのです。

有害な化学物質が含まれるスキンケア商品は避けること

手順の次は「商品の選び方の注意点」を述べます。

セラミドやヒアルロン酸といった美容に有効な成分が含まれている製品がいいのでしょうか?

いえいえ。美容成分だけで選んではいけません。

商品を買う時は必ず、敏感になった皮膚に刺激を与える有害な化学成分が含まれているかどうか確認するべきです。

では、無添加や天然由来成分のスキンケア用品を選ぶべきか?

それも間違っております。

旧薬事法では「過去にアレルギーを起こした102種類の成分」を指定しています。

これを「指定成分」といいます。

「無添加」の表示のある商品とは、この102種類の指定成分が含まれていないだけなのです。

もちろん、化学物質は102種類以外にもあります。

だから、無添加の商品にも化学物質は含まれているのです。

さらに、

商品の容器の表側に記載の言葉に次の表示があれば、すぐに買わないでください。

「界面活性剤不使用」

「防腐剤不使用」

「香料・着色料無添加」

「自然派」「天然由来」

なぜならば、このように化粧品の容器に書いていても、実は化学物質は含まれているのです。

化学物質「不使用」とは商品の製造工程で化学物質を使用していないという意味なのです。

その通り、原材料には化学物質が含まれているのです。

有害な化学物質とは、石油由来の界面活性剤や防腐剤、湿潤剤が代表例です。

これらが含まれたスキンケア用品を使用すると、

化学物質によるタンパク質の変性作用によって、角質層や表皮がまるで火傷(やけど)したようになるのです。

よって、皮膚表面から皮脂が奪われ肌バリアが弱まります。

石油系の界面活性剤や防腐剤、湿潤剤を含んだスキンケア商品を使っているとどうなるのでしょうか?

皮脂膜や細胞間から脂質が奪われ水分蒸発が激しくなり、乾燥がさらに促進してしまうのです。

しかし、素人からすれば成分を見極めるのは難しいですよね。

そこで、ひとつの目安を示します。

成分表示で以下の言葉があれば使用を控えましょう。

「硫酸」「スルホン酸」「ラウレル」「PG」「BG」「パラベン」

では、いくらスキンケアをしても治る兆しがないのでしたら、続きをお読みください。

保湿だけしてもアトピーは完治しない

「スキンケアをこまめにやってるけど、なかなか状態が改善しない」

と、あなたは悩んでいるかも知れません。

それもそのはず、保湿だけではアトピーは完治しないのです。

つまり、アトピーは「何か具体的なことをするだけ」では完治しないのです。

ここに落とし穴があるのです。

ちなみに私は25年間、その落とし穴の底で苦しんでいたのですが。

今、私はスキンケアで保湿をしていませんが、再発していません。

そうです。

何か具体的なモノで治そうと思えば思うほど、完治しないのが実情なのです。

ですから、

もっとアトピーを引き起こしている内奥の力とはなにか?

これに気づくべきなのです。

もちろん、保湿は大事。

ですが、スキンケアは対処的な対策でしかないのです。

よって、そもそもアトピーを引き起こしている背景とは何か? について知るべきなのです。

根本的に解決をお望みでしたら次のページアトピーの原因と完治のメカニズムを読んで本質を学んでください。

本当の問題は何か? これを学ばないと根本的な解決にはならないからです。

文責/非営利活動法人 日本成人病予防協会会員 健康管理士 渡辺勲

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